オランダはこうよ⑵言い返す力:こちらも言って良いんです!
皆さま、メリークリスマス!
築90年の家でも清潔にgezellig(愉快)に暮らしたいから
プロフェッショナルオーガナイザーになりました、Emiです。
今年は135㎝ほどのクリスマスツリーを飾りました。根っこ付きなの♡
🐈🐈がいるのでクリスマスボールが上の方に集中しています(笑)
バラのお花や鳥さんは、しっかりとまるクリップです。
紙製の白いボールは🐈🐈のお遊び用に追加してみました。いかがでしょう?
クリスマスというおめでたい時ではありますが
今回も少し深いお話を綴りたいと思います。
ずっとずっといつかお伝えしたいなぁと思い続けていたものですから
お付き合い頂けたら嬉しいです☆
2020年はオランダにきてちょうど12年目が過ぎました。
思えばその間、色々なことがありました。
数えきれないほど泣きました。
壁を張り巡らせて意地を張りました。
主人を敵だと思い込みました。
私の味方は誰もいないと思い込みました。
そういう思いを抱えて明日の日の出を迎えているのは
私だけではないはず。
そんな10数年の間に、天地がひっくり返るほどの気付きがありました。
今までの世界がガラガラを崩壊するようで、あるいは逆に 険しい崖を登り切り
パーッと視界が晴れたような、革命的なものでした。
その2つ目を今日はお話ししたいと思います。
オランダは個人主義の国です。
自分の意見はYESでもNOでも何でもはっきりと述べます。
思ったことは何でも言います。
言い方を変えると、「察する」とか「相手の身になって考え、言う前に言葉を選ぶ」
という無意識のフィルターがかからないため、言葉がストレートに突き刺さるわけです。
その時に受けショックから復活する力が、voor jezelf opkomen であり
その時に受けた言葉に対して言い返す力のことを assertiviteit と言います。
数年前、仕事で疲労困憊し且つ主人との関係がギクシャクしてとても苦しかった頃
通っていたセラピーの先生から教えてもらったのが assertiviteit です。
“Wat je kan doen is assertief zijn.” 先生が言いました。
英語の直訳では
“What you can do is to be assertive.”
日本語では
「言い返せるようになると良いよ。」というところでしょうか。
自分の思いや不満、要求を相手に伝えること。
「能動的に行動する」とも言えるかも知れません。
ピタっとくる訳をご存知の方、ぜひ教えてください<(_ _)>
相手が何でも言うのと同じように、言われたあなた自身も言いたいことを言って良いのです。
相手の何気ないひと言があなたにとってゆゆしきことであったなら、
「それはしたり!」←時代劇風になっちゃった…ナゼダロ?
とまずはひと声あげることから始まります。
私自身も、そのひと声が出せたなら泣き寝入りしなかったであろう出来事が
今も走馬灯のように脳裏を駆け巡ります。
前回の記事で
(⇒オランダはこうよ⑴自力で立ち上がる力:小さいうちから身に付ける習慣)
「あなたにとって美味しくないのは分かったけど、人前でマズイと言って欲しくない。
私は一生懸命作ったんだ、言われた身になって欲しい。」
と言ったことを書きました。
これが Assertief な反応です。
ですが、上記の言い方では私が思うような解決まではたどり着きませんでした。
「私(達オランダ人)は察することができないのよ…アシカラズ」
で終わってしまい、再発の可能性は高く私の中のモヤモヤは残りました。
では、どう言えば再発の可能性を低くとどめるような合意まで到達することができたのでしょうか?
Assertief に反応するための4つのステップに沿ってみましょう。
この4つのステップは、セラピーの先生が教えてくれた内容に沿っています。
ステップ1)あなたの感情を言い表す。(Benoem jou gevoel.)
Ik vind het onprettig dat~ ~が嫌だと感じている
Het stoort me dat~ ~が不愉快だ
ステップ2)相手がした言動を言い表す。(Benoem het gedrag van de ander.)
dat 以下の部分を表現する。
Ik vind het onprettig dat je “Bah” zei over mijn taart, voor het groepje mensen.
あなた、私のケーキを”マズっ”って言ったでしょう、人の前で。私気分が悪いわ。
私にとっては、一生懸命作ったケーキがまずかったことよりも
”まずい” と人前で言われた事の方が嫌だったのです。
ステップ3)相手の言動があなたにもたらした結果を言い表す。(Benoem de consequentie van het gedrag van de ander.)
Daardoor werd ik erg gekwetst en ik schaamde me erg.
そのせいで私はひどく恥をかいたし、傷ついたわ。
ステップ4)どうして欲しいのかを言い表す(Geef aan wat je zou willen.)
Wil je niet meer ”bah” zeggen? Je mag wel zo vinden maar ik wil niet dat je dat zeg.
もう”マズイ”と言わないでくれる? マズイと思っても良いけど、言ってほしくないの。
つまり、私の気持ちとこれからの要求を「私」を主語にして言い表すのですね。
その場でassertiefに反応するには、とっさに頭と心の整理が行われるわけです。
( ̄▽ ̄;)コレが一番ムズイ~!
私の気持ち
- マズイと言われた事が嫌だった
- 人前でマズイと言われたのが恥ずかしかった
私の要求
- マズイと言うと私は嫌な気持ちになることを知って欲しい
- (せめて)マズイと言って欲しくない
それらを「私」を主語にするとこうなります。
“Ik vind het onprettig dat je “Bah” zei over mijn taart, voor het groepje mensen.
Daardoor werd ik erg gekwetst en ik schaamde me erg.
Wil je niet meer ”bah” zeggen? Je mag wel zo vinden maar ik wil niet dat je dat zeg.”
「あなた、私のケーキを”マズっ”って言ったでしょう、人の前で。私気分が悪いわ。
そのせいで私はひどく恥をかいたし、傷ついたわ。
もう”マズイ”と言わないでくれる? マズイと思っても良いけど、言ってほしくないの。」
直球過ぎないかい? と思ってしまいますが(笑)
「言われた身になって欲しい」よりもずっと明確ではないでしょうか?
言われた身になる、と言われても相手は言われていないので
「そんなこと分かるわけないョ、私はあなたではないもの~。」となってしまいます。
オランダ語のコミュニケーションは、日本の感覚よりも少し
直球くらいが良い塩梅なのかもしれません。
要は、事実を述べるということですね。
オランダ語で言い返したい時には、是非思い出して下さいね。
男の子ひとりっ子ママとして、子育ての経験は決して豊富とは言えないけれど
9歳になった今でも学校で何かあって、ジッと無口でいる息子を見るのは辛いことです。
息子がまだ小さい時は、相手がいけないんだ という立場で慰めていたけれど
それでは常に誰かのせいや周りのせいにする癖がついてしまうな、とある時ふと気が付きました。
『ああ、悪かった。ママがいけなかったわ、ごめんね。』とか
『まあ、あの子がそんなことしたの?』と 言い過ぎてはいなかっただろうか?
謝らないオランダ人を敵と捉えていた時期の私の極端な反応でした。
ええ、主人はオランダ人ですから 主人も敵と思っていました…(-_-;)。
そんな接し方を母が続けていたら、きっと彼は立ち直るために相手からの「ごめんね」を
期待するようになってしまうかもしれない。
それはいかん!
オランダで生きる息子に大切なのは、誰のせいでも何のせいでもなく
自らの力で感情を処理し立ち直る力。
そのために、自分の内側を言葉に出せるようになることではないか!
そんな反省から、息子への対応を改めました。
『ああ、そう。そんな事があったんだ。それで?』
起こった事実を受けとめ、そこに私自身の考えは差しはさまない。
ひと通り よしよしヾ(・ω・`) ヾ(・ω・*)なでなで をしてそっと部屋を去る。
息子の気が収まったら、私も何もなかったように振舞う。
怒りも悲しみも悔しさも、自分で処理し鎮めることができるようになるために
敢えて母が立ち入らない勇気を持つことを心がけている毎日です。
明るく、温かな光が皆様を照らしますように…☆
May organizing harmonize you and your family!
本日も最後まで読んで下さり、ありがとうございました。
それでは、次回まで
Tot ziens!
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