オランダはこうよ⑴自力で立ち上がる力:小さいうちから身に付ける習慣
こんにちは!
しばらくご無沙汰をしております。
夜間はマイナスという寒さになって参りましたが、お元気でお過ごしでしょうか?
12月に入り、朝7時はまだ真っ暗です。
↓キャンドルの薄明りの中での暗い朝食を楽しんでいます(笑)
今年はオランダにきてちょうど12年目が過ぎました。
思えばその間、色々なことがありました。
数えきれないほど泣きました。
壁を張り巡らせて意地を張りました。
主人を敵だと思い込みました。
私の味方は誰もいないと思い込みました。
そういう思いを抱えて明日の日の出を迎えているのは
私だけではないはず。
そんな10数年の間に、天地がひっくり返るほどの気付きがありました。
今までの世界がガラガラを崩壊するようで、あるいは 険しい崖を登り切り
パーッと視界が晴れたような、革命的なものでした。
その1つを今日はお話ししたいと思います。
“Je moet leren voor jezelf opkomen.”
このフレーズは、私が落ち込んだ時にとても良く耳にしたフレーズです。
学校のママ友から、ご近所さんから、義理の家族から、ホームドクターから。
英語の直訳では
“You have to learn to stand up for yourself.”
自ら立ち直る力のことを指しています。
このフレーズは大人に限らず、Peuterspeelzaal(幼稚園)でも良く先生から聞いたフレーズでした。
“Jouw zoontje kan nog niet voor zichzelf opkomen.”
“Your son can’t stand up for himself yet.”
『他の子どもたちと何かあった時、○○君はまだ自分で立ち直れないですね。
抱っこしたら涙は止まったけれど、時間がかかったわ。』
えっ?
『3歳ですよ、先生。そんなことまだできませんよね?』
私はそう先生に言いました。
『根気よく家庭で指導して下さい。4歳からは小学校が始まります。
クラスは大きくなるし、色々な子供たちと関わるからとても大事です。』
それが、息子が4歳になるまでの先生のメッセージでした。
ええ、繰り返し…繰り返し…
4歳でも早すぎません?!( ̄▽ ̄;)
小学校の基礎コース、グループ1、に間に合うように というワケでした。
大人の私も、当時勤めていた会社で疲労困憊してしまった時には
ホームドクターの先生に言われました。
”Emi, je moet leren voor jezelf opkomen.” とても大事だョ、と。
これが出来ないと、人間関係のトラブルから精神的に復活できない。
いつまでも引きずってしまうからより深刻な精神障害を引き起こしてしまうのだ、と。
オランダは個人主義の国です。
自分の意見はYESでもNOでも何でもはっきりと述べるのです。
思ったことは何でも言うのです。
言い方を変えると、「察する」とか「相手の身になって考え、言う前に言葉を選ぶ」
という無意識のフィルターがかからないため、言葉がストレートに突き刺さるわけです。
その時に受けた傷から復活する力が、voor jezelf opkomen なのです。
ちなみに、その時に受けた言葉に対して言い返すことを assertiviteit と言います。
Assertiviteitについては、別の機会にお話しいたしますね!
オランダ語で会話していて 「この人冷たいわ」 とか「デリカシーが無いわね 失礼な 😡」
と思うことがあるとすれば、それが個人主義のコミュニケーションなのではないかな?と
私は思います。
なぜって? 聞きたい??
では、お聞かせしましょうか、その根拠となるエピソードをおひとつ。
( ᵕ́ૢ‧̮ᵕ̀ૢ)‧̊·* ココダケノハナシ…
わたくし、お料理が得意とは思っていません。
でも 取り立てて下手ではないとは思います。
そんな私の手料理を、ひと口食べて ”おえっ” と言われた事がいく度がありました。
パーティーに持ち寄った私の料理だけ誰も手を付けなかったこともありました。
こんなことある? 日本でも
ある時、私は言いました。
「あなたにとって美味しくないのは分かったけど、人前でマズイと言って欲しくない。
私は一生懸命作ったんだ、言われた身になって欲しい。」と。
すると相手は言いました。
「あなたがそんな風に受け取ったとは思わなかった。そんなつもりは全く無かった。
嫌な思いをしたならば、その時その場で言ってくれればよかったのに。
私(達)は察することが出来ないの…💦」
返って来たこの言葉に、私はびっくり仰天!
えええええ! そんなつもりは無かったにしても、
「イヤな思いをさせてしまってごめんなさい。」
くらいは返ってくると私は期待していたのです。
それが、その時その場で言ってくれれば良かったのに とは
何と無神経なのか!とガッカリしたことを昨日のことのように覚えています。
言いたいことは何でも言う。
それが個人主義だとしたら、相手の言葉に傷つくことだって当然あります。
ケンカになることも。
そんな時の要になるのが voor zichzelf opkomen=自分で立ち直ることが
できるかどうか?です。
言い換えると、誰もが皆 voor zichzelf opkomen=自分で立ち直ることが
前提で個人主義は成り立っているのではないでしょうか。
日本語では、相手の方のvoor zichzelf opkomen=自分で立ち直る を促す言葉として
「ごめんなさい」を使います。
「ごめんなさい」は相手のために使う言葉ですよね。
ダッチネイティブダッチスピーカーがそうそう謝らない理由も、そこにあると私は思います。
自分で立ち直る力があるのは、当然のこと。
あなたの立ち直りはあなた自身でするものでしょ、ナニイッテンノ?! ってなワケで。
「ごめんなさい」という相手からのきっかけなくして立ち直らなければならないのは
天地が逆転するような衝撃でした。
では、小さな我が子が「ごめんなさい」という言葉をかけられなくとも自らの力で立ち直ることができるよう、親はどのように接したら良いのでしょうか?
ひとりっ子ママとして、子育ての経験は決して豊富とは言えないけれど
幼稚園で何かあっても、言い返すことが出来ないで泣いている我が子を見るのは
とても辛いことでした。
そんな時、つとめて息子の気持ちに共感する言葉をかけました。
『ああ、そうだったの。悔しかったんだね。よしよし。』
『そんなことがあったんだ。○○はどんな気持ちになったの?』
こういう聞き方は今でも良くします。
言葉にするのは難しいけれど、自分で考え、言葉にして、発することが
できる人になって欲しいから。
そして、その質問に対して返って来た言葉を受け止めること。
『ああ、そうか。涙が出ちゃったんだ。。。』よしよし なでなで
9歳に成長した今、息子はだいぶ言えるようになりました。
イヤな思いをしたことや、これはやりたくない、とか
いやいや僕はこうしたい!ということを。
親が意見を先に言ってしまうことで、息子が考えて述べるチャンスを奪わないよう
今でも気を付ける毎日です。
親が先回りしちゃうのって、世間体とか そういうものを気にしてなんですよね… それも愛情の1つの表われですけれど。
つい先回りしちゃって、後でハッ!として…凹む💦
何でも言える環境というのは、日本人親である私自身が実はあまり経験したことの世界ですから
気に喰わない出来事があった時に立ち直る力や、言い返す力(Assertiviteit)はオランダで育っていく子供たちにとっては、自らの身を守る大切な力となると思います。
オランダ語の習得という言語的な力はもちろん必要ですが、このようなある意味 ”タフな姿勢” というのは現地校での学力の伸びにも関係するのではないかな?と私自身は考えています。
学校では色々な子供達と混じり、オランダ語でやりあっているのですから。
親の私でさえ経験したことの無い環境です。
たまにお手伝いでその中に混じりますが、大人の私がポツンとしてしまうところを
息子は本当に良く溶け込んでやっているなぁ と思いました。
ですから、その中で起こった様々な出来事やそれによって受けた気持ちを受け止め、
息子が打ち明けて安心するような親でありたいと努めているところです。
まあ 息子は期待していないでしょうけれど( ̄▽ ̄;)
そしてまた、息子の見本として、自らもタフにやりあう姿を見せていきたいと思っています。
だから、家の外に出るとつい戦闘モードになってしまいます💦
交通ルールを守らない危険な自転車や車が多くて💦
現地校のネイティブダッチスピーカーのママ友のこどもとの接し方を見ていると、
ハグとかチューというスキンシップは活発に見るけれど
例えば転んだ時に『大丈夫?』とか『けがはない?』というような、子どもをいたわる言葉は
あまり聞かないような?
言葉の会話に関しては親子でもけっこうドライなのね?! と感じることが多々あります。
子どもに対しても個人主義なのか?
それとも息子の学校があるRijswijkがそうなのか?
皆さまがお住いの地域ではいかがでしょうか?
よろしければ、皆様の子育てエピソード等メッセージを頂けたら嬉しいです。
メッセージフォームはこのページの下部になります。
May organizing harmonize you and your family!
本日も最後まで読んで下さり、ありがとうございました。
それでは、次回まで
Tot ziens!
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